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高いリテラシー「整合的に考える、俯瞰する」をもとう(化学物質ホラー話を斬る、その4)

ジョン・エムズリー ———- ロンドン大学化学科の教授。テレビの科学番組製作や、コラムニストとして科学の啓発普及に活躍。2003年にドイツ化学会著作者賞を受賞など多数の受賞あり。以下、彼の世界的なベストセラーになった書籍の抜粋を紹介する。太字だけでも読んでみて欲しい! 抜粋のため前後に記述の実証データや研究は割愛していることご容赦、ピンときた人はぜひ原本の購読をオススメする。 ———-

人体は絶妙な解毒システムをもつ(化学物質は悪者か!?)

食品からくる毒物を始末するために発達した人の解毒システムは、毒物が大量でないかぎり完璧に機能する。化学物質の話になるとどれほどわずかな物質も害があると考える人が多いけれど、それはとんでもない心得違い。

科学分析は想像を絶するほどの微量も検出する(化学物質は悪者か!?)

濃度ppt(1兆分の1)単位ではかる物質も多いが、時間でいうと3万年のうちの1秒に過ぎない。ppb(10億分の1)も30年のうちの1秒でまだ小さい。さらに3桁上のppm(100万分の1)も12日間の1秒だ。わずかな量も表示の仕方でとたんに怖くなってしまう。たとえば何かが母乳に0.1ppmで検出されたとき、その危険性を叫びたい人なら100,000pptと書くだろう(そんな新聞記事をよく見かける)。

純物質の水やダイヤモンドも化学物質と言える。本来、物質に「化学」も「非・化学」もなく、分けるなら「天然物質」か「合成物質」だ。ところが最近は「合成物質(人工的につくった)」としてもその分子構造が天然にあれば「天然由来」と表現する。今やその境目もないに等しく、危険性を強調したいなら「有害物質」と呼べばいいだけの話し。要するに「化学物質」なんて言葉はおかしい。 役所が組織や法律の名称に使う「化学物質」も、おおむね「悪い合成物質」のイメージである。ところで日常生活では合成物質よりも天然物質のほうがずっと危ない。

目からうろこ

全部を紹介できないが、この本では賛否両論の資料を時系列に提示しながら、その虚偽を明かしている。一読をオススメする。 学者の彼のように、膨大な資料を集め検証、読み解く作業なんて一般の人にはなかなかできない。それもあって、大衆が一目おくメディア発信の情報、センセーショナルなコピーに惑わされがち。そしてその裏には、その虚偽を逆手に商売したり、補助金とったり権威を打ち立てようとする魑魅魍魎の人間の欲心がある。 せめて、決めつけをしないこと。思い込みせず(バイアスをかげず)に情報の収集をすること。思考停止させずに自分の頭で考える、肌で感じることが肝要だと感じた。高いリテラシーを見につけることを目指しながらネ (^^)

———- 以上、ジョンエムズリー著『「化学物質」恵みと誤解』、からの一部抜粋でした

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