■ 化学物質とはなんですか? 人工的に作ったものだけが化学物質ではない。 科学的には、元素や元素が結びついたものを化学物質と呼ぶ。なので自然のものも、人間が作ったものも、全てが化学物質。あるいは化合物と呼ぼう。 毎日食べている塩はナトリウムと塩素からできた化学物質(化合物)、水も化学物質(化合物)。サトウキビなどから取れる砂糖は複雑な形をした化学物質(化合物)。こう考えると、化学物質がちょっと、身近になるよね? ■ なぜ化学物質を使うのか? 人間の生命活動、そして生活に役に立つから。 砂糖が甘かったり、薬が病気を治したり、洗剤が汚れを落としたり、化学物質にはいろいろな性質がある。 私たちは化学物質の持つ「役に立つ性質」を使うことで、生活を便利で豊かにしてきた。 しかし、化学物質は強さに違いがあるにしても、害になる性質(有害性や毒性といいます)を持っている。 たとえば、健康を保つのに欠かせない塩には、次のような、人の健康に良い性質にも害になる性質もある。 良い性質:汗の原料になり熱中症の予防となる。 害になる性質:取りすぎると高血圧を起こす。 ■ 害になる性質(いろいろな有害性・毒性を持つ) 毒性には、いろいろな種類がある。 その有害性が出てくるまでの時間 体内に入るとすぐ影響がでる毒性 → 急性毒性(きゅうせいどくせい) 何年も取り続けると出てくる毒性 → 慢性毒性(まんせいどくせい) どのような害が起こるのか 皮膚がただれる → 腐食性(ふしょくせい) アレルギーが出る → 感作性(かんさせい) ガンになる → 発がん性 あかちゃんに影響が出る → 催奇形性(さいきけいせい) どんなものに対して出るのか 人の健康に害を与える → 人健康影響 環境中の動物や植物に影響が出る → 環境影響 (例)お酒の害 お酒には、エタノールという化学物質が入っている。すこしなら、酔っ払って気持ちが良くなるなど、良いこともあるが飲み過ぎると害が出る。 急性毒性:一度に大量に飲むと、急性アルコール中毒になる。 慢性毒性:毎日飲みすぎると、肝臓に害が出る。 ■ 体に入らなければ、毒にはならない 暴露(ばくろ)と暴露量(ばくろりょう)で測る。 化学物質にはいろいろな毒性があるが、発がん性物質をテレビで見ただけならもちろんガンにはならない。 化学物質が体に入ることで、私たちに初めて影響が出る。 化学物質は、食べたり、呼吸で吸い込んだり、手についたりして、私たちの体の中に入ってくる。このことを、「暴露(ばくろ)」といい、体に入った量を「暴露量(ばくろりょう)」と言う。 私たちの体には絵のように様々な経路で化学物質が入ってくる。
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