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一滴の油が波をしずめる

雷が電気であることを証明したことで知られるベンジャミンフランクリンは1777年、ロンドン郊外で『たった一杯の油が約4000㎡の広さの池にひろがって波をしずめる』ことを示した。これは油が分子の厚さで水の表面に膜として広がるためだ。 『界面活性剤』の紹介本の中で紹介されてた。『単分子膜研究の歴史』とサブタイトルが付いていた。

スプーン一杯のオリーブオイルが波を静める?ハーバード大学講師の実験がおもしろい

「たったスプーン一杯のオリーブオイルで、湖の波が静まる姿を捉えた動画」← がある。動画のタイトルは「Crazy Lake Experiment」。制作したのはハーバード大学において物理学の講師をしているGreg Kestin博士で、2016年1月に公開のもの。



湖の上でボートに乗るKestin博士が登場。スプーン1杯のオリーブオイルを湖面に落とし、波がどうなるのかを実験。するとオイルの膜は広い範囲に行き渡り、遠くから見ると湖の他の部分と比べて、ほとんど表面が波立っていない状態となる。しかしなぜこんなことが起きるのか。Kestin博士の説明が以下。

分子が水にくっつこうとして広がる

湖に落ちた時、オイルの分子は凝集せずにひっくり返り、マイナスの電荷を帯びた先端が水のプラスの電荷を帯びた部分に引き寄せられる。そして全てのオイルの分子が、水にくっつこうとして横へ移動し、今回の実験でも0.5エーカー(約2023平方メートル)まで広がった。

2000㎡って、どれくらいの広さ?

テニスコート(ダブルス)8面分の面積と同程度です(1面=260㎡、260×8=2080㎡)。また、コンビニの広さは売場面積で100㎡程度です。よって、コンビニ20店舗分の面積が2000平方メートルに相当。って、結構広いよね(+o+)

分子が直立して厚い層を形成する

しかも1つのオイルの分子は500万分の1cmとされ、深さ1cmのスプーンの中には500万個もの分子があるそうだ。このオイルの分子が水に引き寄せられてひっくり返った時、直立して分厚い層を形成し、ちょうど毛羽立ったカーペットのような状態になるという。さらに風は水の表面を牽引することで波を作り出すが、オイルが層になった部分は風がカーペットを引きずるような状態となるため、波が起きにくくなる。 またこのオイルの効果は湖だけではなく、海でも力を発揮し、荒れた時に船がスムースに運行できるよう水夫たちが調理用のオイルを海に垂らす場合もあるそうで、さすがにオイルが海の波まで抑えるとは信じがたいが、多少船を安定させるのには役に立つのかもしれない。

目からウロコ

・油の1滴で、コンビニ20店舗分の広さの湖面を覆うことができるんだ! ・成分(分子)によって、少量でもしっかりと影響を与えるんだ!

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