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マスコミの”ある”手法(化学物質ホラー話を斬る、その2)

ジョン・エムズリー ———- ロンドン大学化学科の教授。テレビの科学番組製作や、コラムニストとして科学の啓発普及に活躍。2003年にドイツ化学会著作者賞を受賞など多数の受賞あり。以下、彼の世界的なベストセラーになった書籍の抜粋を紹介する。太字だけでも読んでみて欲しい! 抜粋のため前後に記述の実証データや研究は割愛していることご容赦、ピンときた人はぜひ原本の購読をオススメする。 ———-

マスコミ発表(化学物質を悪者にする)

マスコミは感情に訴えるキャッチコピーづくりがうまい。市民の関心を引きたい活動団体もその技術にたけていて、誘導尋問じみたアンケートの結果や、自分達に肩入れする研究者が出した結果などを大声で発表したがる。化学物質をめぐるたいていのホラー話はそうやって生まれた。汚染原因になる化学物質を攻撃する環境団体、発がん性化学物質に目を吊り上げる健康オタクや団体、土壌と作物を汚染する化学物質にかみつく有機栽培団体などがこれからもホラー話を生むはずだ。活動団体のこしらえたうまいキャッチコピーは、時間と戦う記者にはありがたい。しかしたいていはガラクタである。 (例、アルミニウムとアルツハイマー病) 理性に訴える議論は説得力が大きいが、市民に何かを伝えるには感情に訴えるのが一番だ。 よく組織化されたキャンペーンは、ちょっと考えれば破滅に向かうだけしかない態度を市民にとらせる。化学肥料や農薬との決別をめざす運動は、地表のほぼ全部を農地に転換しないかぎり数十億人を餓死させる話である。肥料と農薬を使うからこそ同じ面積で、有機栽培に比べて4倍も作物が収穫できる。

ウラを読む(化学物質を悪者にする)

なにか発見があったとしよう。それが見当違いでないかどうかは以下のことに注意すれば良い。 1、原点のないグラフ 2、誤差範囲が書いていない数字 3、少人数の調査結果や、調査人数の明記していない結果 4、%表示だけの結果 5、感情に訴えるフレーズ 6、「…に関係する可能性がる」「…の恐れが高い」「…と思われる」といった曖昧な表現や、発言者を特定できない「…とされる」「多くの医師が…と考えている」「研究者には…という声が多い」「市民団体は…を懸念している」などの表現。

発がんリスクはたいへん小さい(例その1)

化学物質の発がん試験には、がんになりやすい特殊なラットを使う。そんなラットががんになった事実と、人がそうなることは何一つ関係がない。また、がんの科学療法薬は大半がラットの発がん物質になるが、人にできていたガンは抑えて命を救ってくれる。かりにがんが芽生えたとしても、命にかかわるのは20年や30年もあとのことだ。

合成物質の女性ホルモン作用は、植物エストロゲンよりずっと弱い(例その2)

環境ホルモンのうち女性ホルモン作用をもつ物質は天然におびただしくある(特に大豆の植物エストロゲンは強力)。植物は天敵から身を守ろうとしてそんな物質をつくるのだが、人にも大きな作用をする。摂取量を考えると女性ホルモン作用は合成物質よりも天然物のほうがずっと強い。(ただし女性ホルモン作用をねらって合成された避妊ピルは強い)。レストランで食事したとき、女性ホルモン作用物質の99.9%はグラス1杯の赤ワインからくる(主犯はポリフェノール類。残る0.01%もふつうは天然物だろう。

———- 以上、ジョンエムズリー著『「化学物質」恵みと誤解』、からの一部抜粋でした

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